介護保険が使える老人ホーム。介護療養型医療施設とは?サービス内容は?

前回、前々回と公的介護保険が使える老人ホームとして、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設をご紹介させていただき、その機能の違いをご紹介してきました。

今回は公的介護保険が使える3つの老人ホームのうち、3つめとなる介護療養型医療施設をご紹介します。

介護保険制度では似たような名前の施設がいくつもあり混乱してしまいますね。しかしそれは多用なご老人の身体的・精神的・経済的・ご家族の状況に合わせて利用できる介護施設が公的に整備されている(受け皿がある)ということです。

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介護療養型医療施設とは?

介護療養型医療施設と、特別養護老人ホームや介護老人保健施設とは何がどう違うのか。
いくつかの項目から見ていくことにしましょう。

特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
医療対応度 弱い 中度 強い
住める期間 永続的に可能 原則3ヶ月以内 回復すれば自宅へ
料金※ 安価 12~13万円程度/月 15万円以上/月
医師 常駐していない 常駐している 常駐している

※料金は要介護度(区市町村が認定する介護のランク)によって前後します。

医療対応が必要なご老人が尊厳を持って寝泊まりできる老人ホームが介護療養型医療施設です。しかし病院ではありません。

介護老人保健施設は病院ではありませんが医師が常駐しています。これは前回の記事でご紹介しましたが住み慣れた我が家へ戻ることを目標に掲げた適切な医療を受けるためます。

介護療養型医療施設においても医師は常駐していますが老健同様に体が回復すればご自宅へ戻ることが想定されています。

介護療養型医療施設の場合、在宅医療を受けながら老人ホームで生活することが想定されています。

在宅医療とは胃ろう・在宅酸素療法・人工肛門・インスリン注射・ハルーンカテーテル・気管切開・吸引などの医療行為を入院せず老人ホームでも受けられるように開発された医療行為です。

ご家族は仕事などもありご自宅で医療行為を含めた介護ができない。地域に往診医や訪問看護師がいないなどの理由により介護療養型医療施設を退去しご自宅へ戻られるケースは少ないのが現状です。

特別養護老人ホームは永続的に入居できる施設ですが医師は常駐しておらず医療の対応が弱いということがいえます※特別養護老人ホームにも看護師や准看護師は配置されていますので、薬の管理や健康チェックなどがメインとなっています。

介護療養型医療施設は永続的に入居でき、かつ上記に上げた在宅医療など高度な医療も幅広く対応可能です。

在宅医療は治療ではない?

在宅医療は治療ではありません。人間が日常を送るために必要な医療です。

私たちは自ら食事が取れ栄養を体内に送ることができます。喉が渇けばお店で飲料水を買ったり自宅の蛇口をひねることができます。

無意識の中で鼻や口から絶え間なく酸素を肺に取り込み、血液に乗って全身へ酸素が送られます。

尿意や便意をもよおせばトイレに行きます。

この当たり前のことが内臓機能の衰えなどにより自力ではできなくなる方がでてくるのです。これは治療という領域ではありません。

栄養は日々取り続けなければなりません。人間は酸素を吸いだめすることができません。尿や便も1年分をまとめて出すなんてことはできませんね。

このような人間の生理的活動を医療機器で補うことを在宅医療というます。

介護療養型医療施設はこの在宅医療を受けられる老人ホームです。特別養護老人ホームや介護老人保健施設はここまでの深い医療行為はできません。

在宅医療を必要としないご老人は特別養護老人ホームや介護老人保健施設へ。
在宅医療が必要で経済的事情やご家族の状況などによりご自宅で生活が難しいご老人は介護療養型医療施設へ入居します。

次に各在宅医療の説明を簡単にご紹介します。

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在宅医療とはどんな種類があるの?

胃ろう・在宅酸素療法・人工肛門・インスリン注射・ハルーンカテーテル・気管切開・吸引・経鼻経管栄養などが挙げられます。

1つずつご紹介させていただきます。

胃ろう

認知症が進行すると、「食べる」「飲む」という行為自体を忘れてしまうことがあります。脳梗塞などの影響で口から喉に送られた食事や飲みものをごっくんすることが難しくなる方もいます。

この状況で放置してしまうと人間は栄養失調になり生命維持が難しくなります。そこで開発された医療行為が胃ろう。

へその周囲に1箇所穴を空けカテーテルを胃まで通し、管から栄養剤(ドリンク)を胃に直接流し栄養と水分を体内へ送る処置です。

管(カテーテル)は通常体内に入れっぱなしとなり、数か月に1回医療機関にて新しいカテーテルに交感する処置が必要となります。

お腹の管から栄養を流す対応をするのは同居されているご家族(医療機関から指導を受けます)や訪問看護ステーションの看護師が担うことが一般的です。

在宅酸素療養

若い時などに喫煙をする習慣が長らく続くと肺機能が低下し自力で体内に取り込んだ酸素がうまく全身へ送れなかったり二酸化酸素への切り替えができなくなります。

COPD→慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)は喫煙されている方々が多くかかる病気の代表格です。

人間はえら呼吸ができず酸素を吸いだめすることができませんので、医療機器をレンタルで借りて鼻にカテーテルを装着し24時間を通して酸素を体内に取り込みます。

酸素をどの程度体内に取り込むか、その量は呼吸器内科等の医師が判断し訪問看護師などに指示を出します。

人工肛門

大腸がんなどを経験された患者さんが利用する在宅医療が人工肛門療法です。
大腸がんなどで腸の摘出や切除をした場合、便を肛門から対外に排出するのではなく手術を受けおへその周囲から対外に腸を露出させ、専用ポケット(パウチ)に便を排出させ破棄する方法です。

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インスリン注射

人間は食事と一緒に糖を体内に取り込みます。その糖は膵臓から分泌されるインスリンにより分解されます。これが病気になると膵臓からインスリンが分泌されないようになってしまうことがあります。

これが有名な糖尿病です。インスリンが分泌されないと血糖値が常に高い状態が続いてしまい腎臓病・目の病気・神経の重篤な病気になってしまいます。

そのため毎日注射から体内にインスリンを取り込む必要があるのです。インスリン量は内科の医師が血糖値などの情報から適正量を決定します。

ハルーンカテーテル

これは先ほどの人工肛門の便でなく、おしっこ版だと理解ください。

腎臓や膀胱の病気によりうまく対外におしっこを排出できない場合に膀胱からカテーテルを通じ対外の袋におしっこを直接排出します。

気管切開

意識障害などにより自発呼吸が困難になってしまった方に対し喉を切開しカテーテルを肺へ挿入し呼吸状態を安定させる在宅医療です。

吸引

ご高齢になると体力の低下もあり痰を対外に出すことが難しくなります。そのまま喉に痰を滞留させてしまうと呼吸困難となり大変危険です。

看護師が吸引機を活用し喉にカテーテルを挿入し、痰を対外へ吸い取ることが必要となります。

経鼻経管栄養

これは先ほど紹介しました胃ろうににている在宅医療です。胃ろうはへその周囲に穴をあけ胃にカテーテルを送る方法。経鼻経管栄養は鼻から胃までカテーテルを通し栄養剤(ドリンク)を送ります。そこから栄養と水分を体内へと運びます。

胃の状態が悪いと胃ろうの手術ができない場合があります。その場合に鼻からカテーテルを挿入することになります。

ご老人の負担からすると胃ろうより鼻からカテーテルを挿入する方が嘔気がでたり喉の違和感があります。

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最後に

在宅医療が導入になったご老人でご自宅での生活が難しい方は介護療養型医療施設で生活することができます。もちろんご自宅でも訪問診療(往診)や訪問看護のサポートを受けながら生活を継続することも可能です。

ご老人の意向やご家族の生活スタイルなどを考慮し、各ご家庭にあった介護施設の使い方を検討してください。

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