介護保険が使える老人ホーム。介護老人保健施設とは?サービス内容は?

前回公的介護保険が使える老人ホーム「特別養護老人ホーム」をご紹介しました。そのメリットは介護環境の整った施設で永続的に寝泊まりできるということ。

市県民税非課税世帯に該当する場合一度支払った老人ホーム費が一部払い戻しとなるので金銭的メリットもあることから大変人気のある、常に満室状態の老人ホームです。

デメリットは医師が常駐していないということ。難しい医療処置が必要となった場合、対応困難となり退去を促されることなどが上げられます。また永続的に入居できる反面、長いスパンで毎月一定の金額が発生するということもいえます。

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介護老人保健施設とは

公的介護保険が使える老人ホーム①特別養護老人ホーム②介護老人保健施設③介護療養型医療施設がありました。

今回はその内の介護老人保健施設にフォーカスします。特別養護老人ホームは永続的に、極端に言うとお亡くなりになるまで生活することができます。

一方で介護老人保健施設は「老健(ろうけん)」と業界では呼ばれていますが、永続的に生活することは予定しておりません。

老健の目的は?

老健は自宅を離れ一定期間寝泊まりしながら、リハビリテーションを受け足腰に筋力を付けたり、関節の硬さを解消したりするのが目的です。

つまり、老健とは一定期間入居しリハビリテーションを受け、また住み慣れたご自宅に戻ることが最終目標となっています。このことを業界用語で「在宅復帰(ざいたくふっき)」と言うます。

入居できる一定期間とは

介護老人保健施設には永続的に入居することができないとご説明しました。では入居できる期間はどの程度なのか。

それは最長で「3ヶ月間」となっています。在宅復帰が目標なので期限を区切ってリハビリテーションを集中して受けるようになっているです。

ショートステイ!?

以前ご紹介しましたご自宅での生活を継続するために準備されている公的介護保険サービスに「ショートステイ」がございました。

ショートステイは字のごとく1週間や2週間など短い期間老人ホームに入居し、その間自宅で介護をしているご家族が体を休ませることが目的でした。

このショートステイの時に寝泊まりする老人ホームが特別養護老人ホームや介護老人保健施設のことだったのです。

つまり特別養護老人ホームでは永続的に入居されている方と短期間利用の双方が生活を共にしているのです。

介護老人保健施設も同様に3ヶ月間入居の方と短期間利用の方が共に集団生活をしています。

介護老人保健施設のメリット

介護老人保健施設はリハビリテーションがうまくいけば、ご自宅に戻れますので特別養護老人ホームのように長期間にわたり一定以上の費用を収める負担はなくなる可能性があります。

もちろんお金で大切な親の命を判断できない部分もありますね。

老健に従事しているリハビリ専門職は?

リハビリテーションを担う専門職は主に3職種あり、全て国家資格となっています。

①理学療法士(PTと呼ばれています)
②作業療法士(OTと呼ばれています)
③言語聴覚士(STと呼ばれています) 老健にはこの3職種が連携しご老人のリハビリに当たっています。

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在宅復帰を成功させるために

老健は寝泊まりしながら国家資格を有するリハビリ専門職によるリハビリテーションを受け、また住み慣れたご自宅に戻っていく施設。

そのために入居期間が終盤になると、ご本人やご家族と共にリハビリ専門職がご老人のご自宅まで直接出向きます。

リハビリ専門職が自宅に来て何をするの?

住み慣れたご自宅での生活を継続するための障害となるのが、玄関の段差や階段などです。玄関の段差や階段の高さ、段数などは各ご家庭でまちまちですよね。

手すりの設置個数やトイレに掴まるところはあるのかないのかなど2つとして同じ条件の介護環境はありません。

実際に生活を送るご老人のご自宅にリハビリ専門職が出向き、生活上の問題点を洗い出しケアマネジャーと連携し住宅改修や介護用具の選定などを検討してくれるのです。

いくら老健入居中にリハビリがうまくいっても施設には段差はありません。手すりなどはあちらこちらに複数設置してあり環境は整っています。

重要なことはご自宅に戻ったあとに快適に生活ができなければ意味がありません。

サービス内容

前回、特別養護老人ホームには医師は常駐していないとご説明しました。一方で介護老人保健施設には医師が常駐しています。ここは特別養護老人ホームと介護老人保健施設の大きな違いです。

したがいまして、体調悪化時は医師が迅速に薬を処方したり点滴の指示を看護師に出したり床ずれ治療なども対応できます。

ここで間違えてはいけないことは、医師が常駐しているとはいえ病院ではありません。
高度な医療が必要となった場合、老健医師が紹介状を作成し医療機関を受診することになります。

サービス内容は、24時間を通した排泄介助(オムツ交換やトイレ介助など)・入浴介助・調理や食事摂取介助・薬の管理と内服介助・リハビリテーションなどです。

洗濯はしてくれない

ご老人の衣服の洗濯は施設ではできないのが通例です。ご家族が1週間ごとなどに洗濯を施設まで取りに来てご自宅で洗い、再び施設まで届ける必要があります。

しかしその分、ご老人からすれば愛する我が子に会える回数が増えることとなりますね。

従事しているスタッフは?

介護老人保健施設には多彩な職種が配置されています。

医師・看護師・准看護師・ケアマネージャー・介護福祉士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士・栄養士

このような人員配置を「多職種連携」というます。専門分野からそれぞれご老人の生活が快適になるようアプローチをします。

しかし介護の専門家がバラバラにアプローチをしてはご老人に負担をかけるだけです。多職種が連携、チームアプローチをして初めて力が発揮され最終的にご老人の利益となります。

なぜ老健には医師が常駐する基準となっているか

介護老人保健施設は病院とご自宅の間にある施設なのです。

医療機関 → 介護老人保健施設 → ご自宅

このことは介護老人保健施設が「中間施設」と言われているゆえんです。

誰しも加齢に伴い入院する回数は増えていきます。ご高齢の方が病院で治療を受け、治療完了後退院となってすぐにご自宅に戻ったとしても元通りの生活ができるでしょうか。

ご老人が一定期間入院すると体重が落ち、筋力が落ち、体力が落ちてしまいます。
その状況で退院してもまたすぐに体調を崩し病院に「出戻り」なんてことも少なくありません。

したがって中間施設である老健に移り体を整えてからご自宅に戻るというのが国の狙いです。

老健で3ヶ月間など一定期間入居しリハビリテーションを受けても、回復が見込めず在宅復帰困難となった時、特別養護老人ホームに転居される方は多いです。

中には特別養護老人ホームに呼ばれるまで老健を利用されている方もいます。

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最後に

私が現場で見てきた中で老健に入居しリハビリテーションを受けても回復が難しいケースがありました。それは「脳梗塞後遺症による麻痺」というものです。

突然発症する脳梗塞。脳の血流が何らかの原因でつまり脳に必要な血液が回らなくなりその部分の脳細胞がダメージを受けてしまう病気。

そると後遺症として右手足が動かなくなったり、左手足が意思に反して動かないなど、このことを麻痺というます。

脳梗塞は発症してから3時間というタイムリミットがあります。3時間以内に医療機関に搬送され迅速に梗塞を解消する治療を受けることができれば麻痺などの後遺症が残らない可能性が高いのです。

このことはリハビリテーションも同様です。脳梗塞が発症し麻痺が出現したとしてもすぐにリハビリテーションを受けることでその程度を最小限に留めることができます。

ぜひ覚えておいてください。

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